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「悠久の光彩 東洋陶磁の美」展@サントリー美術館  ”The Eternal Beauty and Luster of Oriental Ceramics” at SUNTORY MUSEUM of ART

  1. 2012/03/14(水) 23:44:44|
  2. アート|
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  4. コメント:0
 大阪は中ノ島にある大阪市立東洋陶磁美術館は、安宅コレクション(※)を核として、東洋陶磁に関し、非常に質の高い作品を収蔵しています。以前にフェルメール「青いターバンの少女」を見に大阪に出かけ、その際にそうした沿革とかを知らずにふらりと入って、展示作品の充実ぶりに驚いたことがあります。
 今回のサントリー美術館の展示「悠久の光彩 東洋陶磁の美」はその出張版(調べてみたら、東洋陶磁美術館自体はいまちょうど設備工事で閉館中なんですね)。なので質の高さは折り紙つきです。それに東洋陶磁美術館は施設自体が小さく、一度にいっぱい展示できないということもあって、今回の展示は名品をいっぺんに見られる貴重なチャンスです。どうぞお見逃しなく(東京ミッドタウンの中を歩かされるのがウザイけど)。4月1日までです。金・土は午後8時までやってます。
※大商社だった安宅産業の経営破綻については、松本清張が小説「空の城」で描き、さらにそれが和田勉によって「ザ・商社」としてNHKでTVドラマ化されました。山崎努や夏目雅子が出ていたやつです。あれってもう30年以上も前なんですね‥。


   同展チラシ



 本展は「第1章 中国陶磁の美」、「 第2章 韓国陶磁の美 」という2部構成で、それぞれ基本的には古い時代のものから並べられています。130点以上に及ぶ展示品から特に強く印象に残り、また、ウェブ上で写真を入手できた作品12点を選んで以下に感想を書いてみます。ちなみに配列は展示番号順です。

1.三彩貼花宝相中文壺【 唐/7〜8世紀 】
 まず最初にガツンとやられたのがコレ。「唐三彩」って高校の世界史の授業で習ったけど、こんなに強烈なものだったなんて‥(絶句)。サイケデリックの世界に足突っ込んでます。かけられた釉薬の流れの生々しさ。エキゾティックな文様(東洋起源とは思えない)はカメオみたいな浮き彫りになっています。






2.青磁刻花牡丹唐草文瓶【北宋/11〜12世紀】
 ドシーンとした存在感に圧倒されます(とってもひとりでは持ち上げられなさそうな‥)。肩の張った独特のフォルム。青磁なのに緑が強く、しかも彫られた溝の部分に釉薬がたまって、深く濃い陰影をつくりだしています。文様も含めて、やはりとてもエキゾティックな強い香りを感じてしまいます。






3.飛青磁花生【元/13〜14世紀】
 全体通じてのベスト1はやっぱりコレですね。展覧会ポスターにも採用されてるし。ポスター掲載の写真だと、表面が何だか白粉でも塗ったみたいな微粒子感があって、何だかコスメティックですが、実物はもっと深く青く、肌も硬質で凛としています。だからこそ挿されている紅の部分が傷口みたいに生々しく、ずきっと痛々しいんですね。そこがまたそそる‥という(なぜか、火のついたタバコを押し付けさせる特別サービスで、客からチップを取るうらぶれた娼婦の話を思い出しました。倉田江美のマンガだったような気も‥)。上から下まで完璧なフォルム/プロポーションと、シンメトリーではなくランダムな斑紋の散らし方の調和にもほれぼれします。




4.月白釉碗【北宋/11〜12世紀】
 深く落ち着いた色合い。底に向けて急にすぼまっていくフォルムの、まるで宙に浮いたような、得がたい美しさ(成形技術的にも難しい)、不安定なこわれやすさが魅力の一品。




5.紫紅釉盆【明/15世紀】
 これは色合いにやられました。外側のラズベリーのような(鉱物系というよりは植物系に感じられる)赤紫が、縁から内側に折り返してブルーベリーの青みに転じ、さらに中央部(内側の底)に至ると、それが白々と明けていくという、黄昏から曙に至る時の流れを封じ込めたが如き景色の流れが素晴らしい。




6.白磁刻花蓮花文洗【 北宋/11世紀 】
 内側から光っているような肌の輝く白さ/きめ細かさを、浅い線刻と縁の黒が引き立てています。側面のゆるやかな曲線も素晴らしい。持ってみると(もちろん触れられないけど)、意外と軽そうな感じもいい。高貴な方の洗面器なのかな。「この中で1個もらえるならこれが欲しい」と妻が言ってました(笑)。




7.木葉天目茶碗【南宋/12世紀】
 これはまた不思議な世界。もともと天目は窯変(焼成中の化学変化)の最たるもので、全くの偶然が場合によっては宇宙の深さすら映し出すわけですが(九州国立博物館所蔵の油滴天目茶碗や静嘉堂文庫美術館所蔵の曜変天目茶碗なんて、もう‥)、これはさらに実際の木の葉を表面に貼り付けて(?)、その葉脈まで精緻に写し取った奇跡的作品。黄褐色と黒色の釉薬を二度がけするというから、確かに‥‥でも、そんなレイヨグラフ(カメラを用いずフィルムの上に直接物体を置いて感光させる技法)みたいにうまく行くものなんだろうか。





8.油滴天目茶碗【南宋/12〜13世紀】
 前述の九州国立博物館所蔵の油滴天目茶碗(TVで観ただけですけど)が、まるで高解像度のプラネタリウムのように宇宙を映し出すのに対し、こちらは黒/金の豪奢な対比だけが強烈に印象に残る(正直、胸が悪くなるほど)。豊臣秀次の愛した一品であったとか。さすが豪華絢爛、栄華の象徴たる聚楽第の主にして「殺生関白」らしい悪趣味の極み‥‥こんなイメージは宇月原晴明の歴史伝奇小説「聚楽」の悪影響でしょうか(笑)。



9.青磁象嵌葡萄唐子文瓢形水注【高麗/12〜13世紀】
 優美にして濃厚なエキゾティシズムが香る一品。葡萄の葉や蔓の文様にしたって、どうしたってシルクロードを通って、彼方から伝わった豊穣たるオアシスの象徴でしょう。上にへと引き上げられて鶴のように長く伸びた首とグラマラスにふくらんだ下部のバランスに、取っ手部分のねじれた曲線が加わって、何とも濃密にエロティック(まるでベリー・ダンサー!)。やはり注ぐは「珍酡の酒」(=赤葡萄酒 北原白秋「邪宗門秘曲」より)でしょうか。





10.粉青白象嵌条線文簠【朝鮮/15〜16世紀】
 大地から立ち上がってくるような造形の力強さと、動物のようなユーモラスな丸みの暖かさ、表面の線刻の生々しさはデュビッフェやフォートリエのアンフォルメルな厚塗り絵画を思わせます。形は儒教の祭器である簠(ほ)から取っているというから、本当は青銅器のための形なんじゃないかな。そう思って見ると、先日の北京故宮博物院展(陶磁に関しては展示品が寂しかった)で見た青銅器たちの、今にもガチャガチャと動き出しそうな「昔のロボット」型に確かに似ているな‥と。




11.白磁陰刻牡丹文瓶【高麗/12世紀】
 これはまた不思議な色合いの移り変わりですが、上からかけた釉薬が首のところで止まってしまって、生地が露出してしまい、焼成にむらがあるんですね。言ってみれば、れっきとした「失敗作」。それを景色の妙から「名品」としてピックアップしてしまうところが東洋陶磁の美意識のスゴイところ(奥深いというか、懐が深いというか)。先に掲げた「飛青磁花生」の完璧なフォルムと比べると、首が引き上げられてすらりと長く伸び、下部のふくらみはむしろその頂点を心持ち下げる‥という「ドンシャリ」的バランスが、また別の美しさをたたえています。





12.白磁面取壺【朝鮮/18世紀】
 端正なかたちと清楚な白い肌の落ち着いた風合い。凛とした冷ややかさを面取りした稜の丸さと底面まわりに広がる淡い景色が和らげています。景色って言ったって天目みたいな劇的な窯変ではなくて、どっちかと言えば雨漏りのシミみたいな(失礼!)印象ですが、その不定形な揺らぎと移ろいが何ともまた‥。愛すべき作品ですね。








 大阪市立東洋陶磁美術館は多くの収蔵品の写真と解説をウェブ上にアップしています。
 ぜひhttp://www.moco.or.jp/までアクセスしてみてください。

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