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2011年に聴いたポップ・ミュージックCD  My Favourite Pop Music CDs Listend to in 2011

  1. 2012/03/17(土) 12:49:45|
  2. ディスク・レヴュー|
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  4. コメント:0
 2011年ディスク・レヴューの補遺として、昨年新たに出会った音盤から、2011年以前のリリースであるために新譜レヴューで採りあげられなかった作品をご紹介したい。新譜レヴューと同様の7枚枠で、まずはポップ・ミュージック篇から。即興演奏やフィールドレコーディング系の作品についても、追って採りあげる予定。乞うご期待。



Elisa Randazzo / Bruises & Butterflies(2010年)
Drag City DC434CD
試聴:http://www.dragcity.com/products/bruises-and-butterflies
http://www.reconquista.biz/SHOP/DC434CD.html
 やや低めで落ち着きをたたえたジェントルな声に乗った、かすかな「かすれ」が輪郭を際立たせ、さらにその魅力を高めている。この気品漂う声音、なだらかなメロディ・ライン、牧歌的な寛ぎと磨きぬかれたアンティーク家具のような艶をたたえたアレンジメント(弦とラップ・スティールのアンサンブルなんて、もうため息ものだ)を耳にすれば、英国音楽好きだったら誰もが伝説の歌姫Bridget St.Johnのことを思い浮かべるだろう。そして本作のクレジットを見て、彼女がゲスト参加していることに改めて驚くだろう。念のためお断りしておけば、もちろんBridgetとの関係で本作品に感銘を受けたのではない。Elisaは自ら弦アレンジを行うほど、彼女自身の個性を確立している。いま、こうした音楽の馨しさは本当に貴重なものになってしまった。


Twinsistersmoon / When Stars Glide through Solid(2007年自主制作 2011年再発)
Blackest Rainbow RR214CD
試聴:http://www.meditations.jp/index.php?main_page=product_music_info&products_id=7386
 男女デュオNatural Snow Buildingの男性の方。2011年にリリースされた2作目『Then Fell the Ashes...』も素晴らしいのだが、後から入手したこの第1作の方により彼らの本質を感じる。ダビングを重ねた隠し録りテープのように、もこもこと湧いてくるローファイな霧の向こうから、ゆらゆらとした揺らぎを従えて響いてくる子守唄、あるいは呪いの呪文の魔力を秘めたセイレーンの歌声(男性が歌っているとは信じられない)。ここに収められたすべてのサウンドが、妙なる歌声のようにも、母性を濃縮した洗脳テープのようにも(Third Ear Bandのような展開も聴かれる)、19世紀末の降霊会のシリンダー録音のようにも、あざといリヴァーブの充満のようにも、単なるテープの劣化がもたらした幻のようにも聞こえる。内ジャケットに描かれた、草むらに寝そべってざわざわした蛇や蟲と戯れる少女の姿(虫愛ずる姫君?!)も、「腐食の美学」を象徴しているようで、彼には似つかわしい。


Orquesta De Musica Sudameicana / Orquesta De Musica Sudameicana(2009年)
Margerita Records NORA-09
試聴:http://www.reconquista.biz/SHOP/nora09.html
 前掲作同様、こちらも2011年にリリースされた2作目『Then Fell the Ashes...』も素晴らしいのだが、やはりこの第1作の方に、より骨太で思い切りの良い、味わいの濃さを感じてしまう。ソロでも活躍しているNora Sarmoria(piano,vocal)が「南米音楽楽団」の看板通り、 Hermeto PascoalからEduardo Mateoを経てトラッドに至るまで(さらに自作曲をプラス)見事に編曲・指揮してみせる。女声スキャットの使い方などPascoal門下生のビッグバンドとの類似性も感じるのだが、こちらの方がより情が深い。Carlos Aguirreの活躍(私にはちょっと優等生的で薄味に感じられてしまうのだが)をはじめ、最近のアルゼンチン音楽は本当に元気で創造的だ。


Hey / Vegetable Love(2010年)
Mirrorball Music MBMC-0104
試聴:http://www.youtube.com/watch?v=1w60cjEO6U0
   http://www.youtube.com/watch?v=-3Bxjos4sy0
 以前のアルバム(これも佳作ではあった)では今井美樹「Pieces of My Wish」をカヴァーしていた韓国女性シンガー。今回の作品は7トラック中、3曲は韓国語版と英語版を併せて収録(だから作品としては4曲しか入っていない)という変則的構成。だが、口に入れた途端すっと溶けてしまうような透き通った甘さと鼻に抜ける柑橘系の「青酸っぱい」香りが素晴らしい。珈琲をハンドドリップするように、ゆるやかに紡がれていく息とこれに寄り添う弦の艶やかさ。韓国のインディ・ロック・グループNell(メンバーの兵役で活動を停止していたが、いよいよ再開するという)のヴォーカルが1曲(韓・英ともだから計2トラック)参加してデュエットしているが、こちらは2011年ポップ・ミュージック選で採りあげたHawaaiiと共通する肩の力の抜けた魅力。


Morrie / Morrie
op.01
試聴:http://www.youtube.com/watch?v=9CCuOh1ED-0
   http://www.youtube.com/watch?v=iErHNJzkrq0&feature=related
   http://www.youtube.com/watch?v=pxStvpKFkJE&feature=related
 「あなたが幸せなら、この音楽は聴かないでください」といささかショッキングな注意書きを付されたMorrieのデビュー・アルバムは、ムクゲの花をあしらった純白のカヴァー(表面には型押しのみで線は入っていない)に、綿菓子のように軽やかな束の間の喜びを包み込んでいる。深々としたチェロによる導入部に続いて、夢見るようにふわふわとキュートな声、すべて舌足らずな英語によるヴォーカル、オールドタイミーなミュージカル・ナンバーを思わせる洒脱なメロディ、シャンパンのように軽く弾けるジャジーなアコースティック・アレンジは、K-POPというより、むしろかつての台湾ガールズ・ポップ、特にMavis Fan(范暁萱)あたりを思わせる(「Bartender Angel」とか)。透き通った甘さと真っ白で滑らかな舌触りに、つんとした爽やかさの香るライチ・ソルベの味わい。徹底的にオシャレでポップな曲調は、しかしまぶしさやあざといしつこさを周到に排しており、聴き手のうちにわだかまる悲しみを、音もなく降り積もる雪のようにそっと包み込んでくれる。


시와(Siwa) / 逍遥(소요)(2010年)
無番号
試聴:http://www.youtube.com/watch?v=Rg0wKlPW77Q
   http://www.youtube.com/watch?v=d1Z9TT5m5HQ
 平らかにゆったりと歩む声の足取り(このことは呼吸と音程の確かさの証しでもある)は、昨年のベスト30に選んだMysterious(Mystery) Curtain(수상한 커튼)を思わせるが、彼女の都会的な洗練に対し、Siwaにはどこか地方都市の少女の純朴さ(まだ頬の赤い垢抜けなさ)が漂っており、また、舗装された歩道ではなく、草ぼうぼうのあぜ道を一歩ずつ、足元を確かめながら歩く際の揺らぐような踊るような感覚の変化がある。2011年にミニ・アルバム『Down to Earth』をリリースしているのだが、やはりそれに先立つ、この第1集(フル・アルバム)が忘れがたい。決して張り上げられることのない声の、だがその眼差しにしっかりととらえられた遠い山並みへと、まっすぐに届くだろう勁さが素晴らしい。ピアノ、ギター、チェロ等による、飾り気のない最小限に研ぎ澄まされた演奏も彼女の声の魅力をよく引き立てている。


Lovasz Iren, Hortobagyi Laszlo / Vilagfa (2009年)
Siren Voices SVCD04
試聴:http://www.reconquista.biz/SHOP/svcd04.html
 もともとは1995年にハンガリー国立博物館のカルパチア盆地征服1000年記念展示のために制作された楽曲のリミックス。Hortobagyi LaszloはこれまでにもGayan Uttejac Orchestra名義で民族音楽の断片が電子音の海に浮かぶコラージュ作品を多数リリースしている。ここでもハンガリーの伝統音楽やそれに影響を与えたであろうした周辺古代文化(彼はマジャールの源へと想像力たくましく溯り、倍音唱法や雅楽にも眼を向ける)に題材を渉猟し、「曼陀羅的」とも言うべき鮮烈にして荘厳な音絵巻をつくりあげている。それがありがちなニュー・エイジ風の安逸に堕さないのは、狂言回し役を務めるLovasz Irenの凛とした誇り高い声が、揺ぎ無い緊張を貫いているからにほかならない。


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