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本日(10月31日)、「アンビエント・リサーチ」第3回です

  1. 2010/10/31(日) 10:27:12|
  2. ライヴ/イヴェント告知|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
 心配していた台風も去って、本日(10月31日)、「アンビエント・リサーチ」第3回です。テーマは「ディストピアの音楽」。今年2月末に行われた「アンビエント・リサーチ」第1回で、虹釜さんがふと口にした「ディストピア・アンビエント」という耳慣れない語にピピッと反応してから、ずいぶん長い時間が経ちました。その間、「アンビエント・リサーチ」第2回で金子さんが採りあげたFrancisco Lopezにも、やはりピピッと(すでに聴いてたにもかかわらず)。

 もともとは吉祥寺のSound Cafe dzumiで昨年11月に開催されたシンポジウムにお誘いいただき、「フリー・フォームの今日的可能性」というお題(当日の議論は必ずしもこのお題に沿ったものにならなかったけれども)を与えられたのがきっかけでした。その時にずっとMichel Donedaの過酷な達成のことを考えていて、それが「ディストピア・アンビエント」という語と偶然に遭遇することにより、別の輪郭を獲得したことになります。その一部は今年3月から同じSound Cafe dzumiで私が行った音盤レクチャー「耳の枠はずし」1〜5回の中でお話しすることができました。今回お話しするのは、さらにそのグレードアップ版ということになります。

 フリー・ミュージックについて考える時に、「アンビエント」のことを考え合わせるという視座を与えてくれた「アンビエント・リサーチ」の場で、虹釜さん・金子さんとお話できることを、とてもうれしく思います。お二人の探求に何か別のきっかけを持ち込むことができればと考えています。

 話だけでなく、音源も動画もかかります。数量限定(予約者優先)ですが、事前に参加者各自が執筆したテクストも用意しました。音楽や音について考えることは、それらを小難しくしたり、細分化されたジャンルにしまいこんで厄介払いするためではなく、異なる耳の視座を探り、新たな補助線を引いて「聴くこと」を深めるためであり、思考を、聴くことを、アクションを、「問題」そのものを作動させる(set in motion)ためだと思っています。川のほとりで公園の隣、がらんと広い、「風通し」のいい場所という絶好のロケーションを得て、きっとそうした思考と「聴くこと」の「交差点」を提供できるのではないかと考えています。前にもお知らせしたように、今回は「GTS観光アートプロジェクト」の一環として開催されるため、参加費無料です。どうぞ皆様お誘い合わせのうえ、おいでください。お待ちしています。

アンビエント・リサーチ 第3回 ディストピアの音楽
主催:虹釜太郎 & 金子智太郎
ゲスト:福島恵一
日時:10月31日(日) 17:00〜20:00
場所:マイタワークラブ
http://mytowerclub.tumblr.com/ http://mytowerclub.tumblr.com/map
都営浅草線「本所吾妻橋」より 徒歩5分、東武線「業平橋」より徒歩10分、東武線・銀座線「浅草駅」より 徒歩13分、東武線・京成線・半蔵門線「押上駅」より徒歩20分
料金、定員:なし
会場では冊子『Ambient Research vol.3』を20冊程度配布する予定です。予約がなくても入場できますが、冊子は予約していただいた方を優先してお渡しします。



「ソラリス」とともに、今回話題に上るだろう
「風の谷のナウシカ」(漫画版)

Israja, Lau Nau Live @ Super Deluxe 28th Oct. 2010

  1. 2010/10/30(土) 01:05:17|
  2. ライヴ/イヴェント・レヴュー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
 フィンランドの歌姫2人の来日とあって、激しい雨風の中、六本木まで行ってまいりました。Israjaは不思議系の1stと2nd、Lau Nauは倍音が繁茂した1stだけしか聴いてないけど(共にその後作品を出していることを知りながら、入手できないでいました)。

 まずは粉末ソーダの素の妖精のようなmeso mesoの声とオモチャとギターとアコーディオン(それと足首に結んだ鈴)。サポートの女性2人組「畔」はトイピアノ鳴らしたり、リコーダー二重奏したり、オモチャを奏でたり(ふだんは影絵もやるとのこと)。こちらはアラレの吹き寄せ感覚。続いてギター・ノイズに青ざめた女声が光臨するHELLLに、Lau NauのパートナーAntti Tolviによるピアノ黒鍵トレモロ・ハレーション。
 みんな悪くないんだけど、ライヴハウスの空間のまずさを上回れない。タバコの煙、休憩のたびにグラスを割る粗忽者、曲が始まってもナンパをやめない恥知らず、演奏中ずっと世間話している大馬鹿者(どーも登場バンドの知り合いらしい)。お前らみんな帰れ!と思うけど、きっとライヴハウスの経営を支えているのは、こうした方たちなのでしょう。だから来なければいいのはこっちの方で、だからずっと行かなかったんだけどね。

 などとぐちぐち考えているうちにIsraja登場。白いパーカーのフードに透き通った金色の髪を包んだ彼女は、まるで変装した天使。愛らしい線画の絵本を題材にした「Pete P」の胸を締め付ける哀しみから始まった歌唱とキーボードのメモリを切り替えながらの演奏は、次第にラウドさを増し、マシニックなビートを強め、エッジを切り立てて、どんどんダーク&ヘヴィになっていく。線は細いが剄さを秘めた声はテンションを高め、サウンドに埋もれてしまうことがない。フードを脱ぎ、髪をかき上げ、またフードをかぶり‥。意識的なパフォーマンスがかき立てる、北欧と言うよりロシア的な狂おしいゴシック世界。

 カリスマティックな空気をまとったIsrajaに比べ、ギターを抱えてステージに現れたLau Nauは、最初、垢抜けない田舎娘のように見えた。赤みを帯びた髪と母性3割増しの横顔。その彼女が脇の小テーブルから取り上げたベルを振ると、さあーっと響きが振りまかれ、空気の色が変わる。こうしたリトル・インストゥルメントや息、手拍子、口笛など、細かいサウンドをサンプル&ホールドを使って重ね合わせるやり方はもはや常套手段だが、彼女はまるでキッチンの魔術師のようににこやかに、見たことのない不思議な空間を開いて見せる。背景に投影されている意図的に粒子を荒くして、輪郭をおぼろに解体し、運動をアブストラクトな色斑の明滅/遷移へと変換した映像同様、音もまた、うすくうすく広がり、互いに浸透しあいながら、ざらざらとした手触りをつくりだす。
 その手触りを足裏で確かめるように、声がゆっくりと渡っていく。輪郭を際立たせることなく、粉雪のような舌触りを残してあっさり溶けていく声の、氷砂糖のような透明さ。うすくうすくおぼろにひろがって、どこまでもどこまでもただよっていくひんやりとしたひびき。気まぐれにオモチャに延びる手と、慈しみに満ちたサウンドの取り扱い。ここではいろいろなものが、ひとつになっている。その時、彼女は誰よりも魅力的だった。
 終曲ではオモチャのヴォイス・チェンジャーを使って、蝙蝠の悲鳴のような軋みで空間を埋め尽くし、それに荘厳なオルガンを加えて、聖なるヴォイスを聞かせる茶目っ気も見せてくれた。

 ‥というわけで、やっぱり来てよかったかも。手に入れられなかった彼女らの作品も買えたし。持参したCDにサインももらえたし(何とミーハーな‥)。Lau Nauはアフターアワーズに少し咳き込んでましたね。タバコに弱いんじゃないかな。かわいそうに(別会場では全面禁煙とのこと)。そう言えば彼女は、まだ小さなお子さん連れでしたね。握手してくれた掌の柔らかさは「お母さんの手」だから?


Lau Nau 1stのリーフレット内側の写真
多種多様な植生がひとつになる
「雑木林」系の魅力

細海魚について

  1. 2010/10/25(月) 22:44:17|
  2. ディスク・レヴュー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
 とりあえず、以前に某誌(「ユリシーズ」じゃないよ)に書いた「Open Silence」のディスク・レヴューを再録しておきます。参考になれば‥ということで。

 みずにゆれるうすいひふ
 陰影を持たずまぶしさもない不思議な明るさで満たされた、永遠に続くかと思われるたゆたいのなかで目覚める‥。ホソミサカナ(細海魚)を聴くことは、いつだってそうやって始まる。ほの暗く暖かな深みへと引き込まれながら、はるか高みで甘やかなきらめきが織り成す文様がかたちを変えながら遠ざかるのを見詰めていると、更なる深奥へとダイヴ・インしていく意識と、鋭敏さを増していく皮膚感覚の間で、身体が音もなく引き裂かれていくのがわかる。深度を増すにつれ、まるで顕微鏡が倍率を上げていくように現れては消える構造/形象。引き延ばされますます希薄になっていく身体。さらさらとしたさざめきへと解体され、マリン・スノーのように降り積もる音響。未生以前の記憶にも似た、どこか懐かしいこの温もりは、この世界を遍く満たし、存在の足元を洗い続ける「サイレンス」の本来の姿にほかならない(それは決して聴覚を遮断して得られる閉塞状態などではない。『オープン・サイレンス』とはよく言ったものだ)。彼が以前から主宰する音響ユニット「繭」の、本作品とほぼ同時にリリースされた新作『Maju-5』において、音響が陰影/輪郭に縁取られ、重さと硬度・密度を有し、色彩の対比をかたちづくる様を聴けば、ホソミを含め両作品の参加者がほぼ同じにもかかわらず、なぜ本作品が彼のソロ名義の第一作とされたかがわかるだろう。SAROや新居昭乃など彼の参加作品にも注目のこと。



「Open Silence」
カヴァーのペインティングも
また彼の作品。

来週日曜(31日)はアンビエント・リサーチ第3回!

  1. 2010/10/24(日) 22:30:11|
  2. ライヴ/イヴェント告知|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
 今日、当日進行の打合せを兼ねて、会場であるマイタワークラブの下見に行ってきました。本所吾妻橋A3出口から橋を渡ってすぐ左側にあります。ちょうどいい写真がないので、感じを伝えられないのが残念です。(T_T)うぅ
 高架下ということで、ごつい倉庫みたいな建物を想像していたのですが、もともとは書籍用の倉庫だったという建物を改装して、かなり風通しよくなってます。手づくりの木のベンチやテーブルがすがすがしい。むしろ学生会館の部室みたい。建物自体が川に沿って長く延びているうえに、1階の川に面した側は一部半透明のプラスチック波板なので、昼間明るいうちは川面の揺らめき/きらめきが透けて見えます。ときどき、屋形船も通ったりして雰囲気満点(高架下なので電車も通るけど)。正面側も大きく開け放たれて、こちらは細い道をはさんで隅田公園に面しており、いまだ濃い緑が眼に飛び込んできます。通りがかりの街の人たちが、何をしているんだろうとのぞいて行ったりとか。このロケーションだけでも味わう価値はじゅうぶんあるかと。建設中の東京スカイツリーも本当に間近に見えるしね。
 現在、「GTS(藝大・台東・墨田)観光アートプロジェクト」として、いろいろな企画が同時進行中。数ある拠点のひとつであるマイタワークラブでも、いろいろなプログラムが予定されていて、今日も1階では子どもたちが巨大な街の地図にビルの模型を貼りつけ、その奥では藝大の学生さんたちが精霊流しのように川に浮かべる、巨大な紙風船をつなげたような「こよみのよふね」の制作を進めていました。
 アンビエント・リサーチ第3回は2階のスペースを使用して、大きなテーブルをぐるりと囲んだラウンドテーブル方式でやれそうです。当日配布する冊子用の原稿も私が50枚弱(この後、さらに加筆予定)、虹釜さんに至っては80枚強(こちらは短くする予定だとか)書いています。テーマである「ディストピア・アンビエント」に三者三様、多方向から迫るものとなっているので乞うご期待。この冊子だけでも読み応えありますよ。なお、議論をわかりやすくするため、金子さんがイントロダクションとしてコンパクトにまとまった「ディストピアの文化史」を執筆。これは開催に先行して金子さんのブログで公開される予定です。これで予習もばっちり。
 進行の打合せも順調に進みました。各自の提出論考を事前に読んで打合せできたのも良かったし、何より問題関心が単に重なってしまうのではなくて、それぞれの作業フィールドに根差しながら、複数のトピックスを共有したり、他の参加者の領域へと越境したりと、積極的に重ね描きしていった結果、話がうまく絡んでいると思います。
 前述の「GTS観光アートプロジェクト」の一環として開催されるため、今回はな・なんと参加料が無料です。ぜひ、皆様お誘い合わせのうえおいでください。出演者一同お待ちしております。


アンビエント・リサーチ 第3回 ディストピアの音楽
主催:虹釜太郎 & 金子智太郎
ゲスト:福島恵一
日時:10月31日(日) 17:00〜20:00
場所:マイタワークラブ
http://mytowerclub.tumblr.com/ http://mytowerclub.tumblr.com/map
都営浅草線「本所吾妻橋」より 徒歩5分、東武線「業平橋」より徒歩10分、東武線・銀座線「浅草駅」より 徒歩13分、東武線・京成線・半蔵門線「押上駅」より徒歩20分
料金、定員:なし
会場では冊子『Ambient Research vol.3』を20冊程度配布する予定です。予約がなくても入場できますが、冊子は予約していただいた方を優先してお渡しします。
予約方法:メールにて予約を受け付けます。予約メールは tomotarokaneko@gmail.com(金子智太郎まで)宛てに、件名を「アンビエント・リサーチ第3回」として「参加者氏名(フルネーム)、参加者数、電話番号」を記入してお送り下さい。お送り戴いた情報は当イベント予約以外には使いません。問い合わせ先も tomotarokaneko@gmail.comまで。


マイタワークラブ改装中の写真
マイタワークラブHPより

Possible Spaces 第3回が開催されます!

  1. 2010/10/24(日) 21:44:35|
  2. ライヴ/イヴェント告知|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
 以前に7月18日に代々木20202で開催された第1回をレヴューした(7月23日の記事を参照)フィールド・レコーディング/サウンドスケープと即興演奏をクロスさせる試み「Possible Spaces=可能空間」の第3回が渋谷アップリンク・ファクトリーで開催されます。前述のレヴューにコメントをいただいたヤマミチアキラさんも出演されます。個人的には英国フォークの香り高いSAROでその存在を知り、新居昭乃作品への助演に驚き、ソロ作品「Open Silence」が良かった細海魚さんの出演にも注目ですー。

日時:11月4日(木) 19:00開場/19:30開演
会場:渋谷アップリンク・ファクトリー
出演:Marcos Fernandes / mori-shige DUO
   Montage(ヤマミチアキラ) / Hosomi Sakana / Aen TRIO
料金:予約2,000円/当日2,300円
詳細は次のURLを参照。
 http://www.uplink.co.jp/factory/log/003748.php



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